一覧に戻る文学・評論夢も見ずに眠った。絲山秋子人と人の間に流れる時間と距離を、静かな筆致で辿る長編。日常のなかにふと訪れる、夢のない眠りのような無音の時間が、淡々とした語りに積もっていく。表紙は俯瞰の構図で、寄り集まる人々の姿を伸びやかな淡彩がとらえる。生成りの紙地に滲むオーカーや焦げ茶、ところどころに差す黄と黒が、土の温度を保ったまま余白へ抜けていく。眠りのあとに残るような穏やかな手触りが、絵と物語のあいだに通っている。About出版社河出書房新社出版年2022年判型文庫ジャンル文学・評論Credits装丁アルビレオ装画平井豊果Amazonで見る