
在日コリアン三世として京都・宇治のウトロ地区に生まれ、ジャグリングひとつで世界を渡り歩いてきたプロパフォーマーの半生記。差別と貧困のなかで自らのアイデンティティと格闘し続けた長い旅路が綴られる。表紙は白地に黒の太いゴシックでタイトルを大きく組み、握りしめた拳・地球儀・正面を見据える少年のシンプルな線画イラストを横並びに配置。「juggling on the planet」の英文と「ちょうせんじん」のルビが、タイトルの二重の意味を静かに引き受ける。素朴で記号的な装画が、力強くも軽やかなその生き方の輪郭を象っている。
著尾崎世界観
装丁古屋郁美
文藝春秋 / 2019年
文学・評論