
お笑い芸人としての顔の裏で、複雑な生い立ちと向き合ってきた著者による初の長編小説。社会の周縁で生きる若者たちの、剥き出しの感情と痛みを描き出す自伝的フィクションである。表紙はオレンジを基調に、青・緑・ピンク・黄が荒く重なる絵画的なテクスチャ。筆の勢いと飛沫、引っ掻いたような線が混ざり合い、整いきらない衝動をそのまま定着させたような肌理になっている。タイトルは余白を取らず画面中央に黒の明朝で大きく置かれ、著者名は楕円の余地に収められた。むき出しの色彩が、書名の宣言をまっすぐ支えている。

著額賀澪
装丁城井文平
装画丹地陽子
文藝春秋 / 2018年
文学・評論