
傷を抱えた女性たちが闇の中に光を求めて葛藤し、やがて解放へと向かう短編連作。直木賞作家による、痛みと祈りの交差する物語集である。表紙はくすんだピンクと白を基調に、布団から顔だけのぞかせる女性が長い髪を流し、口元には朱色の小さな魚をくわえた挿絵がほぼ中央に据えられる。タイトル「夜はおしまい」は和字一文字ずつ間をあけて横に並び、上部には六角形の文様がほのかに浮かぶ。覆い隠す布と覗く眼差し、抑えた色面と一点の朱が、夜の終わりに差す微かな光を視覚化している。
著桂望実
装丁高柳雅人
装画Jiwoon Pak
光文社 / 2022年
文学・評論