
郵便配達員として町を巡る主人公の日常を綴った連作短編の続篇。表紙には、赤い配達バイクの傍らに立つ制服姿の人物と、ベンチに腰かけて缶を手にする青年が、抜けるような青空と新緑を背景に穏やかに描かれる。手描きのイラストは線が柔らかく、足元に咲く黄色い小花や石畳の質感までていねいに彩色され、淡い水彩調の光が画面全体を満たす。タイトルは草の色を思わせるグリーンで手書き風に組まれ、「二代目も配達中」のサブタイトルは封書を思わせる白い短冊にのる。人と人のあいだを手紙のように行き来する物語の温度が、装丁の隅々まで行き渡っている。

著望月麻衣
装丁bookwall
装画いとうあつき
ポプラ社 / 2023年
文学・評論