
ミステリーとエンタテインメントを軸にする小説誌の一冊。創刊45周年を迎えた号で、新連載や読切を含む執筆陣の名が表紙の上半分に縦組みで整然と並ぶ。淡いミントグリーンを地色に、墨と青を抑えた色数で刷られたイラストレーションが下半分を占め、記者会見らしき場に立つスーツの女性と男性、そこへ向けられた無数のマイク、群衆として描かれた聴衆、宙に浮かぶ白い星型のフラッシュらしき形が、群像劇めいた緊張感を静かに立ち上げる。題字の堂々たる明朝と、線描の淡い喧騒。読み物としての硬度と物語の温度を、一枚の画面で釣り合わせている。
著平沢逸
装丁川名潤
カバー写真竹之内祐幸
講談社 / 2024年
文学・評論