
深い夜の青を背景に、黒い鳥たちが四羽、縦に積み重なって一本の樹のようなシルエットを描く。レイ・ブラッドベリ後期の短篇集で、現実と幻想のあわいを往き来する物語が収められた一冊。深藍の地に滲むような筆致で描かれた鳥は、黄色く灯る眼だけが鋭く、夜のしじまに浮かぶ気配そのものとなっている。和文タイトルは細い明朝で右肩に寄せ、下部に銀灰の欧文が静かに横たわる。文字を最小限に抑えた構図が、midnightという語の余韻と呼応し、深更に開く物語の入口を形づくっている。

著ミラン・クンデラ、西永良成
装丁田中久子
装画横山雄
集英社 / 2024年
文学・評論