
東京・武蔵野を流れる身近な川辺に分け入り、そこに息づく魚や鳥、小動物たちの姿を観察しつづけた著者によるフィールドノート。新書判の白地に、青のインクを基調とした手描き風のイラストレーションが軽やかに踊る。タイトルは丸みのある青枠で囲み、その周囲を生きものや人物のスケッチ、英字ロゴが取り巻く構成で、図鑑的な厳密さよりも観察ノートの余白と楽しさを前に出す。色数を絞った装画と新書のフォーマットが、川っぷちを覗き込むときの軽い高揚をそのまま誌面に移している。
著村井理子
装丁吉池康二
亜紀書房 / 2021年
文学・評論