
管理社会から自由を求めて旅を続けてきた少女カッシアと、彼女を取り巻く二人の青年。三部作の最終巻として、彼らが何を得て何を失ったのかを問う物語である。表紙は線描による三人の人物像を主役に据え、白を基調とした余白の中で、鮮烈な赤の和文タイトルを大きく重ねる。柔らかな鉛筆のタッチと、版ズレを思わせるような朱の活字が交差し、選択の痛みと希望が同居する完結巻の気配を、静かに、しかし強く立ち上げている。

著EverettPercival、木原善彦
装丁鈴木成一デザイン室
装画吉田雨水
河出書房新社 / 2025年
文学・評論