
読者から募った短歌に歌人が応える人気投稿企画の一冊。日常の機微や心の揺らぎを掬い上げる言葉のやりとりが、副題のように「双子でも片方は泣く夜もある」といった具体の手触りで束ねられる。表紙は、白い髪と腕に模様をまとった人物が大きな鳥のような生き物に寄り添う絵画的なイラスト。黄・青・桃の色面が放射状に走り、和文タイトルと欧文ロゴ、縦組みの著者名が画面に重ねられ、文字と絵が互いに侵食し合う。一首ごとに揺れる情景を、画面の中に複数の感情が同居する装画が引き受けている。
著平沢逸
装丁川名潤
カバー写真竹之内祐幸
講談社 / 2024年
文学・評論