文学・評論
時計屋探偵の冒険 アリバイ崩し承ります2
大山誠一郎
時計屋の店内で若い女性が探偵役として事件のアリバイを解き明かす、人気シリーズの第二作。短編形式で複数の謀略と崩しの妙が積み重ねられていく。装画は古い柱時計や振り子、ランプの灯りに包まれた木造の店内を、温かな飴色のグラデーションで描き出す。中央に座る少女と緑のティーポットだけがほのかに冷たい色味で浮かび、時間に守られた箱庭のような静謐を生む。題字は縦組みの明朝で、画の闇に紛れぬよう余白を確保し配置される。時の止まった空間で、ほどけていく謎の手触りまでが伝わる一冊。