
思春期の少女たちの危うい関係性を描く心理小説。セーラー服姿の四人の女子学生が、こちらをじっと見つめながら身を寄せ合うように立つ装画が中央に据えられる。白いシャツと紺のプリーツスカート、首元の赤いリボンという制服のコントラストが静かに目を引き、表情はそれぞれ伏し目がち、警戒、無表情と微妙に揺らいでいる。背景の余白を貫くように、血のように赤い極太の明朝でタイトルが大きく重ねられ、「友」と「達」、「未」と「遂」が人物の前後にまたがって配置される。穏やかな絵柄と鮮烈な赤い文字の落差が、友情のすぐ隣にある裂け目を予感させる一冊。

著伊吹亜門
装丁坂野公一
装画水沢そら
小学館 / 2024年
文学・評論