
自身の人生から逃げないと決めた1年の記録。親友と10年会えなかった月日や、ゲイとして生きてきた来し方が、祈りに近い私的なドキュメントとして綴られる。表紙の上半分は、ブラインド越しの光が縞をなして身体に落ち、横たわる肩に重ねられた手が、安らぎと閉ざしの両方を漂わせる写真。下半分は大ぶりのゴシック体が列ごとに分節され、文字が散りながらも整列して並ぶ。やわらかな身体と硬質な活字の対比が、内に閉じることと外へひらくことの往復をそのまま画面に置いている。
著平沢逸
装丁川名潤
カバー写真竹之内祐幸
講談社 / 2024年
文学・評論