
東京と京都、二人の書き手が往復書簡の形で「いま遺したい味」を綴る、土地の記憶と店の系譜をめぐる一冊。淡いベージュの地に、海苔巻きといなり寿司の折詰を真上から捉えた写真が据えられ、包み紙の緑が差し色となる。題字は端正な明朝で右上に控えめに置かれ、下半分の帯には「そこにしかない、まちの味。」の太字が大きく抜かれて余白と呼応する。質朴な料理写真と静かな書体の配置が、語り継がれる味の重みをそのまま紙面に移しかえている。
著高殿円
装丁SAVA DESIGN
装画斎賀時人
淡交社 / 2022年
文学・評論