
世界各地のカフェにまつわる短い旅の記憶を、五十篇のエッセイで綴る一冊。コーヒーや茶器、菓子、街の風景に重ねて、土地ごとの空気と人の気配が立ち上がる。淡いオレンジの地に、ティーカップ、ミルや時計、ケーキや水煙草、万年筆や飛行機といった旅と喫茶を象徴するモチーフを線描と水彩で散らし、中央に「Cafe Travelogue Around the World」を添えた札型のタイトル枠を置く。装画の賑やかさと枠内の静けさが響き合い、頁を開く前から五分ぶんの遠出が始まっている。

著宮田愛萌、渡辺祐真(スケザネ)
装丁大久保明子
装画北澤平祐
文藝春秋 / 2025年
文学・評論