一覧に戻る文学・評論雨上がり月霞む夜西條奈加上田秋成『雨月物語』の世界を下敷きに、直木賞作家が紡ぐ怪異譚。幼馴染の二人と毒舌の兎を狂言回しに、人と異界が交わる境目を巡る連作だ。深い藍と濃紺で塗られた夜の竹林に、菅笠を被った白い肌の若者が小さな兎を胸に抱く装画。和紙のような繊細な筆致と滲みが闇に湿り気をもたらし、淡黄の月光のような書名文字が縦に流れ落ちる。鮮やかな黄色の帯が下半分を断ち切り、生者の領域と幽明の境を視覚的に分かつ構図が、物語の主題そのものを静かに告げている。About出版社中央公論新社出版年2021年判型文庫ジャンル文学・評論Credits装丁岡本歌織(next door design)装画朱華Amazonで見る