
ソウル郊外の再開発に翻弄される人々と、四つ角に立つ女装ホームレス「アリシア」を巡る、現代韓国の作家による小説。表紙には金髪の巻き髪と煌めくネックレスを纏った人物が立ち、その顔は無数の継ぎ目や傷のような質感で覆われ、片目は白い眼帯で塞がれている。日本語と韓国語の縦組みタイトルが左右から人物を挟み、下半分を蛍光ピンクの帯が断ち切る。美しさと暴力、女性性と匿名性が同じ身体に同居する物語の核を、一枚の肖像が静かに引き受けている。

著済東鉄腸
装丁木庭貴信+青木春香
装画横山裕一
左右社 / 2023年
ノンフィクション