
世界各地の発掘現場を渡り歩く恐竜学者が、骨と岩と危険にまみれた日常を綴ったエッセイ。地層を読み、化石を掘り出す現場の熱量と緊張が、そのまま言葉になっている。表紙はクリスタル状に砕けた岩肌を桃・若草・サーモンの淡い色面で積み上げ、その隙間に双眼鏡を構える人物やハンマーを振るう調査員、駆け抜ける恐竜のシルエットを散らしたフラットなイラスト。中央には縦書きのタイトル札だけが白く置かれ、賑やかな画面に静かな余白を与える。地道で危険な営みを、軽やかな色彩の冒険譚として立ち上げる装い。

著宮田愛萌、渡辺祐真(スケザネ)
装丁大久保明子
装画北澤平祐
文藝春秋 / 2025年
文学・評論