
本と人生の交わりを描いた、老書店主と若き訪問者をめぐる物語。淡いターコイズの背景に、本棚を埋める色とりどりの背表紙、肘掛け椅子に腰かける白髪の老人と、本を手渡そうとする若者の姿がフラットなイラストレーションで描かれる。窓から差す光や床のグレーが空間に静けさを与え、書名は白の角ゴシックで控えめに、原題はやわらかな筆記体で添えられている。書架の賑わいと二人の距離感が、言葉を介した世代の対話そのものを表紙の上で形にしている。

著廣嶋玲子
装丁藤田知子
装画Minoru
東京創元社 / 2018年
文学・評論