
スウェーデン発の犯罪心理捜査官セバスチャン・シリーズの一冊で、過去の連続殺人を模した事件に主人公が向き合う上巻。鮮烈な赤地に縦の白いストライプを走らせ、その上にスーツとネクタイ姿の中年男性をモノクロのラフな線描で大きく配する。漢字の題字は明朝で端正に組まれ、原題のラテン文字や著者名は細い縦組みで余白に逃がし、図像と文字情報の密度を切り分けている。捜査官という人物の輪郭と、断ち切られたような赤と白のリズムが、内面の揺らぎを画面の構造として立ち上げる。

著渡辺淳子
装丁鈴木久美
装画マメイケダ
光文社 / 2020年
文学・評論