
戦後文学の問題作家・後藤明生の作品を全集として編む試みの第一巻。前期作品を収録し、編集委員には現代を代表する書き手たちが名を連ねる。表紙には荒い質感の紙に描かれた人物像が大きく配され、虚ろな目と細長く伸びる輪郭が、不穏でユーモラスな気配を同時に漂わせている。下半分には「Goto Meisei」「Collection」の白抜きセリフ書体が静かに置かれ、和の縦組みタイトルと響き合う。帯の一行「西野は北村に弱味を握られていると思っている。」が、この作家特有の可笑しみと不安をそのまま手渡してくる装丁である。
著平沢逸
装丁川名潤
カバー写真竹之内祐幸
講談社 / 2024年
文学・評論