
人狼ゲームのルールを企業の人事や組織論に重ね、誰が「狼」で誰が「市民」かを見極めようとする駆け引きを物語に落とし込んだ一冊。漆黒の地に、青みを帯びた冷たい筆致で手を顔元に添えた人物の肖像画が大きく据えられ、その上から鮮烈な朱色の極太書体で「人狼ゲーム」の文字が縦組みで覆い被さる。さらに英字と「人事の悪夢」の副題、橙色の帯が画面下半分を締める構成だ。冷たい画と熱を帯びた赤い文字のコントラストが、平静を装う組織の表層と、その下で進行する疑念のゲームを同時に立ち上げている。

著EverettPercival、木原善彦
装丁鈴木成一デザイン室
装画吉田雨水
河出書房新社 / 2025年
文学・評論