
死者と生者、消えゆくものと残るものを「白」という色のもとに編んでいく連作散文集。産着、雪、こめ、骨——白に連なる事物を一つひとつ手繰り寄せながら、亡き姉への語りかけが静かに織り上げられていく。表紙はモノクロームの写真を大きく配し、布をそっと持ち上げる手のひらの柔らかさを画面いっぱいに映す。ハングルの一字が枠線で慎ましく置かれ、タイトルの帯と紹介文だけが白く抜かれて重なる。被写体の余白と紙そのものの白が滲み合い、書名の意味を装丁が静かに引き受けている。
著古川日出男
装丁佐々木暁
装画松本大洋
河出書房新社 / 2024年
文学・評論