
警視庁追跡捜査係シリーズの一冊。未解決事件を追う刑事たちの執念を、夜の街に潜む脅迫者という主題で描く警察小説である。カバーは夜の繁華街を背景に、二人の人物の後ろ姿をシルエットで配した写真を採用。赤いテールランプや街灯のにじみが画面を横切り、青緑のネオンが奥行きを生む。タイトルは白の明朝で大きく組まれ、夜景の発色と高いコントラストを成す。背を向けて雑踏へ歩み入る二人の影が、見えない脅威を追う物語の入口として静かに機能している。

著渡辺淳子
装丁鈴木久美
装画マメイケダ
光文社 / 2020年
文学・評論