
アメリカ国防長官として真珠湾攻撃の記憶から9.11後のイラク戦争までを生きた当事者が、半世紀超の政治の現場を綴った回想録。カバーは記者会見の一場面と思しきモノクロ写真を大胆に全面に配し、眼鏡越しに考え込む人物の表情と、画面手前で交わされる手のジェスチャーをそのまま切り取る。題字は白の縦書きで右半分に大きく抜かれ、原題と訳者名を控えめな赤と細い明朝で添える。報道写真の質感をそのまま装丁言語に転用することで、語り手の沈黙と饒舌が同居する一冊であることを静かに示している。

著EverettPercival、木原善彦
装丁鈴木成一デザイン室
装画吉田雨水
河出書房新社 / 2025年
文学・評論