
鎌倉時代、源実朝に嫁いだ坊門信子の生涯を、和歌に込められた想いとともに描く歴史長編。夫が遺した「言の葉」を胸に、激動の世を生き抜いた女性の静謐な物語が綴られる。カバーは、青藍の着物をまとった後ろ姿の女性が海辺に佇むイラストレーション。淡く滲む桜の桃色と、水面に揺らぐ光の粒が画面全体に散らされ、明朝体の縦組タイトルが余白を保って配される。背を向けた人物の佇まいと、こぼれ落ちるように描かれた花弁が、過ぎ去った言葉の残響をそのまま装画に重ねている。
著相羽鈴
装丁AFTERGLOW
装画睦月ムンク
集英社 / 2016年
文学・評論