
マッチングアプリで「フツーの男子」を探し続ける30代女子の恋と仕事を描いた連作小説。プロフ詐称、ヤリモク、自己中、地雷男——画面越しの出会いをめぐる現代の悲喜こもごもをすくい取る。表紙は、ピンクの髪の女性をセンターに据え、その周囲に複数のスマートフォン画面と男性たちのイラストを敷き詰めた構図。淡いブルーと鮮やかなピンクの二色に絞られた配色が、アプリ画面のUIを思わせる軽やかさを生み、白い筆記体のロゴが画面の奥行きを縫って走る。情報過多な恋愛市場のにぎやかさと、その中心に立つ一人の表情の静けさが、装丁の中で対比されている。
著焦田シューマイ
装丁川谷康久
新潮社 / 2025年
文学・評論