
アルコール依存症の治療病棟での日々を、自身の入院体験をもとに描いたコミックエッセイ。前作『失踪日記』に続く闘病記録であり、ユーモアと観察眼で病棟の人間模様をすくい取る一冊。表紙は鮮烈なピンク一色を地に、俯瞰のアイソメ図で病棟の内部を切り出した構図。ベッドや廊下、デイルームに点在する患者たちの小さなコマが図解のように並び、白抜きの太いタイトルと手描き風の著者名が画面を大きく分節する。閉ざされた箱庭をのぞき見るような視点と、深刻な題材に似合わぬ甘い色面の落差が、本書の独特な距離感をそのまま装丁に翻訳している。

著EverettPercival、木原善彦
装丁鈴木成一デザイン室
装画吉田雨水
河出書房新社 / 2025年
文学・評論