
日常の中で当たり前とされてきた儀式や価値観を揺さぶり、生と死、身体と社会の境界を静かに問い直す短編集。淡い植物文様の壁紙を背景に、銀色の燭台に黒い球体が三つ載った写真が大きく据えられ、白抜きの細い文字で記された書名がその金属の骨組みの隙間に絡みつくように浮かぶ。柔らかな壁の意匠と無機質なオブジェの対比、そして文字が物体に侵入してくる構図が、見慣れた生活の風景に潜む異物感を、表紙そのものの手触りで予告している。

著EverettPercival、木原善彦
装丁鈴木成一デザイン室
装画吉田雨水
河出書房新社 / 2025年
文学・評論