
ファッション誌の校閲部で働く女性たちを描いた人気シリーズの一冊で、出版社という華やかな職場の裏側で言葉と向き合う校閲者の姿が、軽やかな筆致で綴られる。水玉と星を散らした水色の地に、王冠を載せたヒロインが本を積み上げ、その上にパフェを掲げる手描きのイラストが大胆に配置される。タイトルは黒の手書き風で誌面を縦断し、著者名は赤いリボン状の帯に白抜きで添えられ、赤いスカートとペンが画面を引き締める。少女漫画誌の表紙を思わせる甘さと、校正記号を思わせる赤の差し色が、職業小説の輪郭を可愛らしく描き出す。

著渡辺淳子
装丁鈴木久美
装画マメイケダ
光文社 / 2020年
文学・評論