
1920年代モンタナの牧場を舞台に、寡黙な兄と弟、そして弟の新しい家族のあいだに張りつめる支配と愛憎を描いた長篇小説。表紙は、青いシャツとカウボーイハットの人物が馬上から荒野へと向かう後ろ姿を、にじみを残した水彩で描く。茶褐色の大地と淡い空の上に、英文タイトルを太く重い黒のサンセリフで縦に積み上げ、右肩には邦題と訳者名を細い明朝で静かに添える。背を向けた騎手と直立する文字組が、視線の届かぬ先にある荒々しい力を予感させる。

著ミラン・クンデラ、西永良成
装丁田中久子
装画横山雄
集英社 / 2024年
文学・評論