
戦後の焦土から立ち上がる二人の男を描いた警察小説。占領下の混乱と人々の生活を背景に、刑事たちの矜持と葛藤が浮かび上がる。表紙は黒い背景に、淡い水彩のタッチで描かれた二人のスーツ姿の男性が並ぶ。ピンクと緑がかった肌、青や黄緑に滲むスーツの輪郭は、写真ではなく筆致を強調し、人物の輪郭をあえて溶かして時代の不確かさを示す。明朝体の縦組みタイトルが画面右に大きく落ち、足元にはクリーム色の地面が広がる。曖昧な色彩と硬質な文字組が、廃墟に立つ者たちの輪郭を静かに浮かび上がらせている。

著EverettPercival、木原善彦
装丁鈴木成一デザイン室
装画吉田雨水
河出書房新社 / 2025年
文学・評論