
この雨が上がる頃
静かに降りしきる雨のなかで、ふと立ち止まる人々の心の機微を描いた連作短篇。重なり合う痛みや迷いが、やがてやむ雨のように移ろっていく物語を予感させる。深い藍に滲んだ背景に、上から見下ろした傘の円形がいくつも浮かぶ。赤、黄、白、青と色とりどりの傘は雨粒のように散らばり、画面下にはうつむく人影がひとつ。手描きの絵の具のかすれが水面の揺らぎを思わせ、白抜きの明朝タイトルが静かに置かれる。降る雨の景色のなかに、人の気配がぽつりと灯る一冊。
About
Credits
- 装丁
- 坂野公一(welle design)
- 装画
- 佐伯佳美

















