一覧に戻る文学・評論神様のケーキを頬ばるまで日常のささやかな出来事のなかに、ひとの痛みやよろこびを掬いとる物語が綴られていると推察される。深い黒地に、不揃いに積み上げられたブロック状のケーキと、それを囲む苺や檸檬、キウイ、葡萄。皿の手前では二本のフォークが交差し、誰かと分け合う気配が残る。明朝の縦組タイトルがケーキの塔と並んで立ち、崩れそうな甘さをそっと支える。闇のなかで果物の色彩だけが小さな祝祭を灯し、口にするまでの逡巡を一枚に刻む。About出版社光文社出版年2014年判型四六判 / A5判 サイズジャンル文学・評論Credits装丁鈴木久美(角川書店装丁室)装画西淑