
奈良県東吉野村に移り住んだ夫婦が、自宅を私設図書館「ルチャ・リブロ」として開く——その「移住」の実践と思索を綴った一冊。表紙はくすんだ深いカーキを地に、古い民家の佇まいを細い線画で淡く描き、上部に明朝体のタイトルと著者名を縦に静かに配する。帯は白く広く取られ、本のかたちをした小さな挿絵が添えられ、母屋から離れて建つ蔵のような印象を残す。土と木の質感を思わせる色と、輪郭だけで描かれた家のあわいが、暮らしの場所そのものを思索の器にする本書の姿勢に静かに重なる。

著青木海青子
装丁有山達也
装画青木海青子
夕書房 / 2022年
文学・評論