
カフカが残した日記や手紙から「絶望の名言」を選び、マンガで読み解く人生論。憂鬱の文学者の言葉を、笑いと諦念の入り混じった視点で再構成した一冊である。表紙は鈍く沈んだ藤色を地に、机に突っ伏す人物の線画を中央に据える。太く重たいゴシック体のタイトルが画面を圧し、その隙間に「あはは…」「あはは」と力ない笑い声がふりがなのように寄り添う。重さと軽さの同居する装丁が、絶望のなかにこそ宿るユーモアという本書の構えを、静かに言い当てている。
著平沢逸
装丁川名潤
カバー写真竹之内祐幸
講談社 / 2024年
文学・評論