
1972年、米ウェストバージニア州バッファロー・クリークを襲った炭鉱スラッジダムの決壊。村ごと押し流された人びとの心に何が残ったのかを描き、災害社会学の古典となった一冊の邦訳。生成りに近い白地のカバー上半分に、倒壊した建物と教会、立ち尽くす人影をペン画で淡く配し、英題と原著者名を端正な欧文で組む。下半分は和文タイトルに切り替わり、帯では赤の太い和文が「空白の傷を聴く」と直截に言葉を置く。線描の静けさと帯の赤が、失われた風景と残された声の落差を視覚化している。
著平沢逸
装丁川名潤
カバー写真竹之内祐幸
講談社 / 2024年
文学・評論