
長く僧侶として現場に立ってきた著者が、寺院や葬送のあり方を問い直し、制度化された仏教の建前を脱いで生老病死に寄り添う実践を語る一冊。生成り色の地に、墨の濃淡で描かれた数人の僧侶と猫が軽やかに配され、袈裟の一部だけが鮮やかな黄で差し色になる。題字は手書き風の筆致で大きく置かれ、副題と著者名は細い縦組みで余白に逃がされる。線の素朴さと余白の広さが、肩の力を抜いて教義の外側へ歩き出す本書の姿勢と静かに響き合っている。

著EverettPercival、木原善彦
装丁鈴木成一デザイン室
装画吉田雨水
河出書房新社 / 2025年
文学・評論