
魔女と「訳アリ」の猫たちが集う古書店「北斗堂」を舞台にした、日本ファンタジーノベル大賞2024受賞作。表紙は桜の花弁が降る木造の店先に佇む少女と、右手前にどっしりと座る黒猫を据えた情景画で、足元の三毛や菜の花の黄が温度を加える。柔らかな筆致のイラストレーションに、墨書を思わせる骨太の漢字「猫」「罰」を大胆に重ねることで、ファンタジーの軽やかさと古典文学的な重みが同居する。古書店にこぼれる春の光が、物語の余白を予感させる一冊。
著三島由紀夫
装丁新潮社装幀室
装画牧野伊三夫
新潮社 / 2003年
文学・評論