
放送作家として知られる著者による初の小説。妄想を止められないアホの一代記として、現実と幻想がリンクし、凶暴な空想が未確定の未来へと物語を押し出していく。表紙は黄とオリーブを基調にした油彩風の向日葵畑。筆触を残した塗りの中に小さな人影が一つ立ち、その手前に「びこうず」と朱赤のひらがなが太く横たわる。茫漠とした夏の風景と、原色の文字が放つ熱量。アホの夢想が現実を駆け抜けていく勢いを、画面そのものが先取りしている。

著EverettPercival、木原善彦
装丁鈴木成一デザイン室
装画吉田雨水
河出書房新社 / 2025年
文学・評論