
川越の小さな活版印刷所を舞台に、人と言葉、紙と活字が静かに結び直されていく短篇集。表紙は深い緑青に星々と草原を溶かしこんだ夜の景色で、三日月の上に少女と小さな印刷機、傍らに鳥が腰かけている。タイトルは白の明朝で大きく縦組みされ、背景には「果」「歌」「銀」といった一文字が淡く浮かび、Letter Press Printing Crescent の欧文がそっと添えられる。物語の余韻と活版の手触りが、夜気のような青緑のなかで重なり合う一冊。

著ミラン・クンデラ、西永良成
装丁田中久子
装画横山雄
集英社 / 2024年
文学・評論