
書店員・谷原京子を主人公にした人気シリーズの続編。理不尽な店長や業界の慣習に振り回されながらも、本と読者のあいだに立ちつづける書店員の日常を、苦笑混じりに描いた連作小説。表紙は、緑のエプロンに白いシャツの女性店員が、文庫本を胸に抱きはたきを手にして正面を向く水彩タッチのイラスト。左には背表紙の色だけが鮮やかに覗く書棚、右上には「新!」の赤い丸ワッペン、タイトルの「バカ」だけが手描き風に太く崩されている。困り顔と几帳面な制服のあいだに滲む小さな反抗が、書店という現場の温度をそのまま装丁に立ち上げている。

著寺地はるな
装丁小木曽杏子
装画西村ツチカ
角川春樹事務所 / 2024年
文学・評論