
2007年に登場したボーカロイド・初音ミクを軸に、インターネットと音楽が交差する場所で起きた文化的変容を辿る一冊。三度目の「サマー・オブ・ラブ」として、その現象を音楽史の文脈に位置づけ直す試みでもある。表紙はターコイズ一色の空気の中に、キャラクターを象ったフィギュアをやや俯瞰気味に据え、明朝体の大ぶりな問いかけを上半分に配する。被写界深度の浅い写真と本文書体の質感が、虚と実、データと身体のあわいに立つ存在を静かに浮かび上がらせている。

著EverettPercival、木原善彦
装丁鈴木成一デザイン室
装画吉田雨水
河出書房新社 / 2025年
文学・評論