
ジャズと小説の境を軽やかに越えていく一冊。サックス奏者を軸に、音そのものを物語へと立ち上げる試みが続いていく。表紙はグレーブルーの紙面に、横顔のシルエットと楽器、絡みつくチューブを暖色で重ね、ピクセル状のドットや三角の幾何模様、音符を散らした密度の高い構成。下半分には縞模様で抜かれた「bbbp / be=bo」のタイポグラフィが大きく置かれ、肩に座る一匹の白い猫が画面の重心を静かに保つ。音の運動と、それを聴き澄ますまなざしが、一枚の中で同居している。
著平沢逸
装丁川名潤
カバー写真竹之内祐幸
講談社 / 2024年
文学・評論