
数学に魅入られた高校生たちの青春を描いた長編小説。タイトルの「青」は答えのない問いへ歩み出す若さの色として響く。カバーは緑がかった光に満ちた街並みのイラストレーションに、黄色い傘を差した人物を中央に据え、画面全体に半透明の数字や「Logarithm」「Euler's Identity」といった数学用語が層となって重なる。明朝の極太で組まれた「青の数学」のタイトル文字は背景に深く溶け込み、雨上がりの街と数式が同じ密度で存在する世界を立ち上げる。数学を解く時間と、誰かに出会うために街を歩く時間とが、一枚の画面でやわらかく重ね合わされている。
著焦田シューマイ
装丁川谷康久
新潮社 / 2025年
文学・評論