
職場の不浄を巡る男たちの神経戦を描いた、芥川賞作家による中編。スーツ姿のサラリーマンが皿の上の揚げ物を手にぽつねんと佇むイラストレーションが、淡い緑の渦巻き模様を背に中央に据えられる。タイトルは縦に大きく、男女のトイレピクトグラムと小ぶりなローマ字表記が控えめに添えられ、文庫の小さな判型ながら設計は緩急がはっきりしている。日常の隙間に潜む可笑しみと不穏さを、淡い色面と整理されたタイポグラフィで穏やかに包み込んだ一冊。
著桂望実
装丁高柳雅人
装画Jiwoon Pak
光文社 / 2022年
文学・評論