
鳩に選ばれてしまった27歳の会社員・小森椿が、謎の使命を背負わされていく物語。日常と非日常のあわいに立つ女性の戸惑いを、寓話的な手触りで描く長編小説である。明るい青緑の地に、上下を反転させた人物のイラストレーションと、白い鳩の姿が大きく配される。手書き風の白い和文タイトルが画面中央を縦に貫き、版元名やコピーは小ぶりの明朝でひそやかに添えられる。倒立する身体と飛翔する鳥、そして反転した文字組が、平穏な色面の上で静かに重力をずらしていく。

著EverettPercival、木原善彦
装丁鈴木成一デザイン室
装画吉田雨水
河出書房新社 / 2025年
文学・評論