
1958年発表のアメリカのノワール小説。若者たちが企てる強奪計画の顛末を、乾いた筆致で描き、のちに映画化もされた一作。表紙は灰色の地に、女性の脚、銃を構える男、走る男、旧型のセダン、札束、犬、フェルト帽、木造の小屋といった断片を切り抜いて重ねたコラージュ。背後には赤い円が浮かび、原題「Fool's Gold」の黒い大文字が画面を斜めに横切る。寄せ集められた像の不安定な均衡が、計画の綻びと「はなればなれ」の予感を静かに告げる。
著吉川トリコ
装丁鈴木久美
装画斉木久美子
新潮社 / 2018年
文学・評論