
北海道の小さな牧場から競走馬「アカリ」を送り出した人々を描く競馬小説。無敗のGI挑戦に町ぐるみで沸き立つ高揚と、敗れてもなお夢を見続ける牧場主の姿を、青空の下に重ねていく一作。カバーには雪を残す山並みと若草の牧草地、母馬と子馬に寄り添う人物が淡い水彩のタッチで描かれ、抜けるような青と緑が物語の風通しの良さを伝える。タイトルは右上に縦組みで大きく置かれ、絵の余白を損なわない配置。帯の朱赤が画面を引き締め、牧歌的な情景の奥にある勝負の熱を静かに予告している。

著望月麻衣
装丁bookwall
装画いとうあつき
ポプラ社 / 2023年
文学・評論