
1976年のボブ・マーリー襲撃事件を起点に、70年代から90年代のジャマイカを生きた人々の声を多視点で織り上げた長編。ブッカー賞を受賞した一作で、政治・暴力・音楽が絡み合う混沌を膨大なポリフォニーで描き出す。表紙は古い博物図譜風のハチドリと熱帯植物の細密画を中央に据え、その上から原題「A BRIEF HISTORY OF SEVEN KILLINGS」の活字を粗い質感のまま縦に裁ち落とすように配置。生命の図像と無骨な英文タイポグラフィのぶつかり合いが、楽園と暴力が同居する小説の温度をそのまま装丁に翻訳している。
著平沢逸
装丁川名潤
カバー写真竹之内祐幸
講談社 / 2024年
文学・評論